レポート表現について　短時間攻略（6時間22分59秒）　ドラクエ5　PS2版

レポート表現の紹介

今回のレポートには、筆者がこれまでに使用してきた表現がほぼすべて含まれています。
そのほとんどは「表」の体裁による表現です。
有用性が高いと思うものから順に紹介します。また、独自で考案・工夫したものはその意図を説明します。

プレイ内容の表現

• 戦譜　　1つの戦闘の経過を表します。
  縦軸「行動順番」　－　横軸「キャラ行動/キャラ影響」
  各キャラクターに対し、「行動」「受けた影響」という2つの列を設けることで、情報を視覚的に分別しました。
  行動順番も視覚的に把握できます。他にもこの戦譜表現には多くのメリットがあります。
  戦術を練る過程でも、しっくりこないボス戦では一度この戦譜を作ることで、改善に気づくことがあります。
  なお、本レポート内の戦譜ページは、筆者自作のソフトを使って作成しています。 （戦譜作成プログラムBRM）
• 戦闘リスト　　すべての戦闘についての基本情報を表します。
  縦軸「戦闘の発生順」　－　横軸「敵編成/獲得経験値など/所要時間など/使用キャラLv」
  プレイ中のすべての戦闘の流れが俯瞰できる表です。
  多くの情報が横軸で分類されており、好きなように見ることができます。
• 装備品リスト　装備品の推移を表します。「戦闘リスト」を補足します。
  縦軸「戦闘の発生順」　－　横軸「各キャラの各装備欄」
  テキストで表現しにくい装備品の使いまわしを簡潔に表現できます。
  
• 主要アイテムの配置　主要アイテムの所持者の変遷を表します。「戦闘リスト」を補足します。
  縦軸「戦闘の発生順」　－　横軸「各アイテムの所持者」
  所持者ではなく、アイテムを軸にとったことで、「どのアイテムを誰が持っているか」の検索を可能にします。
• ゴールド収支・アイテム回収売買リスト　　プレイ中のG・アイテム収支の流れを表します。
  縦軸「時系列」　－　横軸「G収支/回収/購入/売却」
  従来は「回収」「買い物」など別々に分かれていた多くの要素を、時系列を軸に据えひとつの表にまとめることで、Gの収支までが統合され見やすくなります。
• キャラクター能力値【状態量】/【上昇量】　　ステータスの変遷を表します。「戦闘リスト」を補足します。
  縦軸「戦闘の発生順」　－　横軸「各キャラの能力値」
  テキストで表現しにくいステータスの変化をまとめて表現できます。
• ボス行動まとめ　　「戦譜」の簡易版です。
  縦軸「行動順番」　－　横軸「ローテーションの該当ターン/特記事項」
  ただ行動を羅列するのではなく、ローテーション行動の場合はどこにあたるかを横軸で表現します。
  行動の偏りなどが視覚化されます。
• 仲間モンスター捕獲/狩りの経過表現
  ×××△△　××○　といったような形で経過を視覚的に表現しています。
  なお、この表現については2006年頃の、のなすけ氏のレポートを参考にさせていただいております。

戦略の表現

• 役割分担表　　1つの戦闘における各キャラの役割を表記します。
  縦軸「役割」　－　横軸「各キャラの行動」
  各キャラが取る行動を、役割「補助/回復/攻撃」に分けて記入することで、分担が視覚化されます。
  戦術をおおまかに伝える際に役立ちます。また戦術を練る際にもバランスが視覚化され改善に役立ちます。
• 行動内容表　　ターンごとの行動内容を表記します。「役割分担表」の詳細版です。
  縦軸「ターン数」　－　横軸「各キャラの行動」
  短いターン数で終わる戦闘や、ボス戦闘序盤の行動を表現するのに便利です。
  横軸に各キャラをとり、そのキャラを使わない場合も表に欄を設けて空欄にすることで、戦術が明確になります。
• 行動優先順位表　　行動の優先順位を表記します。「役割分担表」の詳細版です。
  縦軸「戦闘状況」　－　横軸「各キャラの行動」
  戦況別に、こちらのとるべき行動がある程度決まる戦闘での、戦術表現に役立ちます。
  横軸に各キャラをとり、そのキャラを使わない場合も表に欄を設けて空欄にすることで、戦術が明確になります。

その他

• モンスターの1文字略称
  「戦闘リスト」を簡潔に表現するために考案しました。
  なお、略称設定にあたり、くねお氏、けい坊氏、腹黒パンダ氏のご意見を参考にさせていただきました。
• アイテムの2文字略称
  「装備品リスト」「ゴールド収支・アイテム回収売買リスト」を簡潔に表現するために考案しました。
  なお、略称設定にあたり、まんさく氏のご意見を参考にさせていただきました。

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表現研究の意図

レポートの挑戦

実は今回のレポートは、昨今増えている「プレイ動画」への挑戦というスタンスで作成しました。
はたして、レポートは動画に勝てるのか。

これは、動画配信は著作権の関係でどうこうといった、いわば「低レベル」なことを問題にしているのではありません。
仮に、法的な問題がすべてクリアされたとしても、レポートが多くの面で勝るのではないか。
本レポートは、これを世に問うための筆者の挑戦でもあります。

「プレイ内容の表現」で勝負

ひとつのプレイを伝える要素は、おおまかに分けて次の4つになるかと思います。
１．事前に考えていた戦略
２．プレイ中の思考
３．実際のプレイ内容
４．実際のコマンド入力内容

１→４の順でタイムスケールが短くなります。
基本的に、動画に残るのは３と４だけです。
実況等があれば少しは状況が違いますが、１と２については概ねレポートに軍配が上がっていると思われます。
４については、さすがに動画が有利でしょう。
ただ、筆者の個人的な感覚では、RPGのやり込みにおいては４よりも１と２の方がはるかに重要で伝えたい事項です。

ともかく、残るは３です。実際のプレイ内容。これを動画よりもわかりやすく表現できないか。
今回のレポート執筆では、この３にあたる部分の表現を主戦場と位置付けました。
・・・ということで、膨大な量になった「戦略」に関する記述は、今回の挑戦の役には立っていないです。そこで動画に勝てるのは当たり前ですから。

表現の指針　－時間で輪切りにしない－

ここで、動画が持つ弱点を考え、それをレポートで表現することを狙いました。
動画の持つ最大の弱点。それは、必ず「時間」を1次元目の軸にとるよう、閲覧者に強要することです。
動画で伝えられるのは、時間軸で切った「輪切り」の情報の積み重ねの域を出ません。
あるキャラの装備品の変遷を追いたい場合、あるアイテムの所持者の変遷を追いたい場合、動画は「あるキャラ」「あるアイテム」を1次元目に取ることを許しません。

これに気づき、動画との差別化を図るため、今回のレポートでは従来書いてきた時系列スタイルとは大きく構成を変え、「時間」ではない軸で最初のページ分類をすることに決めました。
もちろん1次元分は時系列という軸に使うことが多いのですが、表を活用すれば、2次元分の軸がとれます。
閲覧者に、もうひとつの軸を提供できます。そして、プレイ内容を分析する自分にも。

ひとつのプレイには、それを形作る多くの要素があります。
「時間」でないもうひとつの軸の存在により、その各要素を極力壊さない表現ができたのではないかと思います。
実際に表をまとめたあと、時系列でない軸で眺めることで、プレイ中に気づかず、そして動画を何度見返しても気付かないであろう改善点が見つかります。
それは時系列で輪切りにすると壊れてしまっていた要素だったのでしょう。

表現の持つ価値

ということでレポート表現にあたり、筆者としては今持てる全ての能力を出した感覚でおります。
この試みがどれだけの価値を持つのかについては、今後、世の中の評価が決めていくことでしょう。

なお、いくつかの表現はすでに他のプレイヤーに採用されているようで、筆者としては嬉しく思っています。
「戦闘リスト」に関しては、くねお氏によるDQ5の6時間5分18秒レポートを始めとするドラクエ5プレイヤーだけではなく、冬葵さんによるDQ8RTAレポート内のページなど、他のドラクエ作品のRTAレポートにも採用されているようです。
「戦譜」に関しては、えいこさんによるミンサガの制限攻略レポート内のページにも採用されているようです。アレンジが加えられつつ、「ドラクエ」「RTA」をいう枠を両方超えて採用されていることを嬉しく思います。

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